「…何、今の。声!?」
「ユッキ、足元…」
「うわッ!?」
ユッキに踏みつけられて
新入りくんが
潰された蛙のように
なっている。
「何、コレ…」
ユッキのひと言に
私もジュンジュンも爆笑だ。
「ひ、で〜な〜」
よろよろと新入りくんが
立ち上がった。
「アンタ、何?」
ユッキの真面目な質問に
笑いが止まらない。
ジュンジュンは
すでに顔見知りだったようで。
「コージさん。
アニキの事務所の
オトコノコ」
「オトコノコじゃ
ないっスよ!
もう22っス」
「オンナノコひとり守れんと
胸張ってんじゃないわよ」
ユッキが鼻で笑った。
「相手、見たっしょ?
こ〜んなデカイヤツが
ふたりっスよ!?」
新入りくんも
ユッキのカラカイに
むきになって反論してる。
「だらしなく
口から血なんかダラダラ
流してるんじゃないわよ。
ホント、ガキよね〜」
ユッキが新入りくんの口元を
自分のハンカチで拭った。
「あ、汚れちまったら…」
「いいわよ。
洗濯すればいいんだし」
「今、洗剤買えないんで
そ〜ゆ〜の困るっス」
どこまでもビンボーな
新入りくんだった。