私はジュンニイに
関するコトに
あまりにも
感情的になりすぎる
きらいがある。
「言えないコトだって
あるよね」
「いや…う、う〜」
ジュンジュンが
私の様子に狼狽して
「誤解されると困るんだけど」
そう前置きした。
「実はミスターが
アニキを追ってフランスに
飛んでったんだよね」
「え…」
想像もしなかった事態に
私のアタマは
イッキにパニックになる。
「…何をしに?」
このテレビ電話がある時代に?
わざわざフランスまで?
ミスター自らが乗り込んで?
聞きたいコトが
アタマの中を駆け巡る。
「たぶん『彼』の個展のコト
だと思う」
『彼』の…!?
ジュンジュンの答えに
嫌な予感が私を襲った。
「…ジュンニイは
作品の展示に
O.K出してたよ」
「いや。
そんな話じゃなくて」
ジュンジュンが
口ごもる。
「私に気を遣うような
内容なんだ…」
「……」
「そうなんだ?」
「え、いや。
ヒメと直接カンケイが
あるワケではなくて」
「そういう逃げ方
凄くムカつく!!!」
まどろっこしい表現に
話が見えなくて
思わず苛立った。
「ごめん、わかった!
全部話すよ」