「ボンジュール?」
「ジュンニイ!!!!?」
フランスからの国際電話。
「え、アニキから!?」
ジュンジュンが私から
ケータイを取り上げる。
「アニキ!
約束のお土産
絶対忘れないでよ!
忘れたら、コロス!」
さっきまでの深刻さは
どこに行って
しまったんだろう。
思わず苦笑してしまった。
ジュンジュンは
私の呆れ視線に気づいて
笑ゴマしながら
ケータイを返してくる。
信号が青に変わる。
「後はお若いおふたりで!」
ちいさくウィンクして
ジュンジュンはひとり
人ごみの中に消えていった。
ジュンジュン…。
私に気を遣いすぎてる
その姿は
今の私には充分に
プレッシャーだよ。
「もし、も〜し!
アロ〜? ヒメ〜!?」
「あ、ごめんなさい」
国際電話だった。
「切られたのかと思ったぞ」
ジュンニイの声に
心臓の鼓動が速くなるのが
自分でもわかった。