「このチョコ
ベルギー産なのね。
ジュンイチくん
ベルギーに行ったの?」
「…知らないッ!」
不機嫌さまるだしで
私は自分の部屋に戻った。
ジュンニイにメールを打つ。
《お土産、着いたよ。
パパとママがすごく喜んでた》
…ちょっと
イヤミっぽかったかな。
送信し終わってから
後悔をする。
何も不安を広げるようなマネ
しなくてもって
自分でも思った。
本当に言いたいコトは
本当に訊きたいコトは
他にあるのに
いっぱい
いっぱいあるのに。
案の定
ジュンニイからの
メールの返事は来なくって。
焦りに
不安に
後悔に
私のアタマの中は
もうジュンニイのコトで
いっぱいだった。
ユッキの大学入試まで
ちょうど1週間。
今日は
試験会場の下見をしに
行っている。
「ユッキがいなくても
大丈夫だったね」
ジュンジュンの耳打ちで
自分が好奇の目に
さらされていたという
現実を思い出した。
アタマの中は
ジュンニイのコトで
いっぱいで
親友が心配してるってのに
当の本人が
油断してどうする!
自分に気合を入れ直した。
「あのう」
クラスメイトの女子がひとり
私達の様子を窺うように
傍に寄ってきた。
「…何ッ!?」
ジュンジュンが冷たい目で
そのコを睨みつけて
ちょっとアセった。