マンションの部屋に入って
ベランダを開け放って
冬の空気を循環させる。
主人がいない部屋は
においまで
無機質になってきた。
グリーン達の存在に
癒される。
「あ」
根腐れしていたグリーンが
新しい芽を出している…!
何だか凄くラッキーな
出来事のような気がして。
もしかして
「状況も好転するのかも」
なんて
小さなしあわせを
珍重がる自分がいた。
「ジュンニイにも
知らせなきゃ」
ケータイで新芽を撮って
《希望の芽、発見!》
のタイトルに
《何かいいコトありそうな》
とコメントを
つけて送った。
一方通行のメールを
もう何回送ったかな。
カレンダーの
赤い花丸に目をやる。
あさってには
逢えるんだもん。
もう少しの辛抱だよね。
カレンダーの花丸を
カメラに収めて。
《待ち遠しいな》と
コトバを添える。