何かあったのかな。

理由も添えてない
その簡潔なメールに

ジュンニイの真意を探る。


空港まで遠いからかな。

私の交通費や時間を
心配してくれたのかな。

疲れてるトコ
私に見せて

心配させたく
なかったとか。


できるだけ
いいように解釈する。

些細なコトにも
敏感になっている
自分がいて。


ジュンニイの
様子が、気持ちが知りたい。

なのに

《どうして?》のひと言が
どうしても打てなかった。


邪魔にはなりたくない。
邪魔にされたくはない。


でも。

でもジュンニイに
逢いたかった。


いてもたっても
いられなかった。


ケータイでパリ出発便の
タイムテーブルを
検索する。


「確か昼過ぎに
むこうを出るって」

ジュンニイは言っていた。


もし
乗って帰ってくる飛行機が
特定されたら

それは恋愛の神様が
逢ってもいいと
許してくれているんだ。


そう自分を甘やかせて
私は自分の運に賭けた。