「該当機はひとつ!」


神様も後押ししてくれてるに
違いない。

勝手な解釈をして。


「朝、6時起きだなあ」

ちょっと頬がゆるむ。

お弁当とか
作ってる時間ないな。

機内食で
お腹いっぱいだろうし。


でも、ジュンニイを
感激させるような
演出が考えつかない。



時計を見た。

「むこうは真夜中か」

すっかり時差計算が
速くなっている。



「メール送ったら迷惑だよね」

ケータイを見つめてしまう。


「そうだ」

ジュンジュンに
相談してみよう。


後押しして欲しかったのに


《やめといた方がいいって》

ジュンジュンに
簡単に一蹴された。



《想定外の出来事って

オトコのヒトは
一番嫌うんだよ》


物凄く
出鼻をくじかれる。


でもやっぱり

《顔見るだけ》

逢いたい。


《じゃ、明日空港つきあうよ》


「ジュンジュンも
心配性なんだから〜」


空港くらい
ひとりで行けるのに。


子ども扱いに
ちょっとカチンときた。


でも

ジュンジュンが
いったい何を
心配していたのか

少し考えれば
想像がつきそうなモノ
だったのに。


このときの私は

勘の鈍さも
相当だった。