翌朝

ジュンジュンと
空港にむかった。


飛行機が到着して

出口でジュンニイを
待ち構える。


「遅いね〜」

何度も出口の中を覗き込む。


「入国審査とかあるもん。
国内線みたくスムーズには
出て来れないよ」

ジュンジュンがあくびした。


1分が1時間にも感じる。


「あ! マユコさんだ」

空港のカートを
蹴り飛ばすようにして
出口から
派手に登場してきた。


「ジュンジュン、ほら…!」

嬉々とする私の口を塞いで

「しいッ!」

ジュンジュンが私を
柱の陰に引っ張り込んだ。

「ジュナちゃんに
ヒメちゃんじゃない」


その声に
ジュンジュンが
表情を変える。


「…あちゃー。
見つかっちゃったか」



ジュンジュンが観念して

マユコさんに愛想笑いで
近づいていった。


マユコさんの後ろに
悶々としたオーラが
たち込めている。


マユコさん機嫌、悪ッ…。

ジュンジュンと
思わず顔を見合わせた。


「…お帰りなさい。

アニキはいっしょじゃ
ないんですか?」


「あんなバカ
知るもんですかッ!!」

マユコさんのテンションが
イッキに上がる。

思わずジュンジュンの後ろに
隠れてしまった。


何かジュンニイと
あったんだろうか。


凄くコワイよ。