まさか
オンナのヒト…。
アタマの中が真っ白に
なっていくのがわかった。
「俺が中に入れるから」
ふいにジュンニイに
声をかけられ
現実に戻る。
ビニールシートを
出してきて
ジュンニイは無言で
グリーン達を
部屋に入れ始めた。
「コーヒー淹れたから。
手、洗っておいで」
「…うん」
ぎこちない会話。
ジュンニイの
気まずそうな微笑みに
追い詰められる。
気がつくと
洗面所をチェックして回る
自分がいて。
髪の毛とか
ごみ箱とか
客用歯ブラシの数
とか…。
減ってる…。
3本も。
3人泊めたってコト?
「来るモノ拒まずで…」
「来るモノ拒まずで…」
ジュンジュンのコトバが
アタマの中をリピートする。
「何やってんの?」
気がつくと
ジュンニイが
後ろに立っていた。
「あ…」
何てトコロを
目撃されちゃったんだ!
探るなんて
嫉妬深いとか
何て卑怯なとか
思われて…。
ジュンニイが
歯ブラシを鷲掴みにしている
私の手元を見ている。
ああ
もうダメだ…。