「……」
テーブルに
突っ伏したまま
顔を上げるコトができない。
「え?
ヒメちゃんが原因なの?」
さすがのお父さんも
自分の失言に
気がついたようで。
「いや、ヒメちゃんを
責めてるワケじゃないんだよ」
わかってます。
「いや、何。だいたいね。
ヒメちゃんを嫁にと
ジュンにけしかけたのは
私だもんでね。」
「え」
思わず顔を上げた。
「フラれたんですか。
ヤツは…。
だから
アセるなと言ったのに…」
「下ネタを言っても
軽く受け流せる
賢いコだってね。
オヤジってば
ヒメのコト
凄く気に入ってんの」
ジュンジュンが
苦笑する。
「その通り!」
お父さんは
ガハハと豪快に笑った。
確かにママが
よく下ネタを連発するから
慣れてはいるけど。
そんなコトが
アピールポイントに
なるモノなの?
「アニキはオヤジのコト
尊敬してるからね。
この歳になっても
まだふたりで銭湯とか
行ってたりするんだから」
ジュンニイの
意外な一面だった。
「ヤツは
不器用なトコロがあってね」
「と、いうより
自分から告白して
つき合ったのって
ヒメが初めてだと思う」
「そうなの!?」
ココロならずも
お父さんとハモってしまう。
お父さんは
咳払いをひとつして
「ま、そんなコトも
あるかもな」
ひとりで納得していた。