「アニキ、洋服いくつ
持ってきてるんだよ〜」


クローゼットに
洋服が溢れてる。


数の多さもさながら
洋服の並べ方がちょっと
ブティックのようで

あまりのらしさに笑った。


「スーツなんか
着る機会あるのかよ〜」

ジュンジュンは
ツッコミを
入れまくっている。


洋服はともかく
靴なんか5足もあって。


「1足はジム用だよ」

「ジム?」

「ホテルのトレーニング施設
使ってるんじゃないの?」


普段は事務所と
同じビルに入っている
トレーニングジムに
毎朝、通っているという。


「…知らなかった」

「あのカラダ
何もせずキープなんか
出来るワケないでしょ〜」

あの歳のオトコなんて

ふつうは
お腹が出てるもんだと
ジュンジュンがさらりと言う。


ジュンジュンも
チアとかやってて

細いんだけど
筋肉がしっかりついていて。

それに比べて
私のボディは…。


「……」

嫁入りしても
この家族の
マッチョな世界にだけは
ついていけそうにない。


「洗濯モノ、発見!」


ホテルのロゴが入った
紙袋2つに

下着や靴下
Tシャツ類が
詰め込まれていて


「詰め込み方も
几帳面だね〜」

ジュンジュンが呆れてる。