翌日。

とりあえず
本日分の洗濯モノと
お弁当を持って
ホテルを訪ねた。


昨日のバトラーさんと
目が合って

「どうぞ」

エレベーターの
ボタンを押して
扉を抑えてくれる。

こういうのって
顔パスってゆ〜んだろうか。


まあ、私くらいの
年頃のオンナノコなんて
めったに来ないだろうから
印象的なんだろうな。


でもちょっと
一人前のレディ扱い
されたみたいで

悪い気はしない。


「ふふ♪」

ちょっと慣れたカンジで
部屋の呼び鈴を鳴らす。


「…あれ?」

返事がない。


「出かけちゃってるのかな」

カードキーでドアを開ける。


バスルームから
シャワーの音。


お風呂入ってたんだ。


バスルームの
ドアをノックして

「ジュンニイ?
着替え持ってきたよ」

声をかける。


「お〜」

ジュンニイは
どんなに眠る時間がなくても
お風呂だけは入る。

カラダが起きてくるからだと
言っていた。


でも
この時間に来るって
ちゃんとメールして
おいたのにな。

まだメール
見てないんだろうか。


とりあえず荷物を置いて

コートを脱いで
ハンガーに掛ける。


「……」

このハンガーは
どの位置に掛けるのが
正解なんだろうか。


自分のセンスを
試されてる気がする。


さんざ悩んで

結局
一番端っこに
こそっと掛けた。


洗濯モノを
引き出しにしまって


「ジュンニイ
下着、今着替える分…」

声をかけ終わらないうちに

バスルームから
すっぽんぽんで出てきた
ジュンニイと鉢合わせする。


「……」

ソレが視界に
モロ、入ってきた。