歓迎されてる…!
来てよかったと
胸を撫でおろした。
私達が
かぶっていた
ぶかぶかヘルメットを
同時に叩いて
「サイズあってないぞ〜」
ジュンニイは
ゴキゲンな様子で
手を洗いに行った。
おおきな机に重箱を並べる。
スタッフの数を
目で確認して
「みなさんもどうぞ」
声をかけた。
無反応な空気。
みんなしてお互いに
顔を見合わせている。
…声かけちゃ
いけなかったのかな。
「ごちそうになります」
一番年配らしい
オトコのヒトが
私達の正面に座った。
パパと同じ歳くらいかな?
作業着にヘルメットだと
歳がわかりにくい。
「ほら、おまえ達も
ご相伴に与からないか!」
そのヒトの一喝で
しぶしぶ若いスタッフ達が
腰を上げ始めた。
ご相伴に与かるって言い方が
年齢を推測させる。
戻ってきたジュンニイから
現場の監督さんだと
紹介された。
「ジュナちゃんは
前にも何回かあってるよね。
このコはジュナちゃんの
お友達かな?」
監督さんが
ジュンジュンに質問する。
「俺の婚約者なんです」
はっきりと
ジュンニイが言い切った。
「え?
若く見えるけど社会人?」
監督さんが突っ込んでくる。
「…高校生です」
ジュンニイの声がちいさい。
「女子高生か〜。やるな〜」
監督さんの言い方も
意味深で。
ちょっとイヤミだった。
「美味い!」
監督さんは猛烈な勢いで
炊き合わせを口に詰め込む。
「でしょう?」
ジュンジュンが自慢した。