「うまそ〜」
ジュンニイが
ドライヤーを片手に
お弁当箱を覗き込んでくる。
「ジュンニイの好きな
甘〜い卵焼きだよ〜」
「食べさせて」
髪を乾かしながら
全裸のジュンニイが
甘えてきた。
視界にまた
ソレが
入ってくる。
「…何か着てから
食べない?」
「こんな落書きされた下着で
部屋の中ウロウロしたくない」
ジュンニイが拗ねた。
「だったらジーンズ穿けば?」
ジュンニイが
ジーンズを片手に立ち上がる。
「こっち見るなよ〜」
「見ないよッ!!!」
そんなにハートの
メッセージは恥ずかしいのか。
そう言えば
マンションでもジュンニイが
お風呂に入ってる場面に
何度も遭遇したけれど
いつも脱衣場で
ちゃんと着替えて
髪も乾かして出てくるから
何かちょっと妙な気分だ。
「卵焼き食べたい」
ジュンニイは
そんな私にお構いなしで
「どうして全部
着替えないの!」
「髪、まだ濡れてるもん」
上半身ハダカで
食べ物を要求する。
均整のとれたカラダ。
「……」
何で私が赤面しなきゃ
ならんのだ。
「あ〜ん」
卵焼きをお箸でつまんで
食べさせようとするけれど
けっこう難しい。
お箸でちまちま切っていると
「まどろっこしいな〜」
ジュンニイが
ツッコミを入れてきた。