「あ…んッ」

口の中に
甘酸っぱさが広がる。


私が食べるのを
ジュンニイは満足そうに見て


今度はその指を

私の口腔に
忍び込ませてきた。


「あ」

ジュンニイの指が
ブドウの皮を探し当て

私の口から
それを取り出す。


ジュンニイはそのまま
ブドウの皮を
自分の口に入れ直した。


「おいしいよ」

ジュンニイの長い指は

こういうコトをする為に
授かったのだろうか。


果汁だらけの指を
私のアゴから首筋に
なすりつけて。


そのセクシーな指使いに

我を忘れそうになる。


「ジュンニイ…」

私は無意識に
ジュンニイの肩に
手を回していて

ジュンニイの
肩にかかっていたタオルが
ハラリと落ちる。


ジュンニイの胸の傷が
目に入ってきた。


「あの傷をつけたのは
私の本当の父さんなんだ」


ジュンニイはタオルが
はだけ落ちたコトを
気にも留めないで

私の肌を唇で堪能している。


「んッ…」

ジュンニイの舌が
私の中に侵入してきて

私の舌に
ご機嫌を窺ってきた。


ジュンニイの
ディープなキス。

腰が抜けそうなくらい
情熱的で…。


朦朧とする意識の中
キスを受けながら

私は無意識に
その傷を触っていた。


目をつぶっていても
わかるくらい

それは生々しい傷痕で。


デコボコといくつもの
縫い目が指に当たっては

いったい何針
縫ったんだろうと

想像させる。