ジュンジュンは
自分の本当のお父さんが
つけた傷だって
言ってたけど
ひとつ間違えてたら
今頃ジュンニイは
ここにいなかっただろう。
「…気になる?」
あ…。
ジュンニイに指摘されて
初めて自分の行為に
気がついた。
「…ごめんなさい」
ジュンニイは
私からカラダを離して
「いいよ。別に」
起き上がって
Tシャツを着た。
「出かけなきゃ」
ジュンニイは
何事もなかったかのように
身支度を始める。
「アニキってさ絶対
中にTシャツ
インしてるでしょ」
ジュンジュンが
言っていた通り
それはまさに
触れてはいけない
モノだった。
知っていたくせに
私はどうしてこう
自分をコントロール
出来ないヤツなんだろう。
ジュンニイの背中が
また遠のいた。
ゆっくり身を起こして
乱れた髪と
ワンピースの
はだけた裾を直して
冷静になる。
「バカだ…私」
「…ヒメが悪いんじゃないよ」
ジュンニイの声に
顔を上げた。
「ごめん。
この傷に触れられるの
苦手でさ」
ジュンニイが私を気遣う。
「ううん。
私がいけないの。
ジュンジュンから
その傷のコト
教えて貰っていたのに…」
「え…?」
ジュンニイの顔色が
変わった。
「教えて貰ってって。
…妹から?」