「クマさんの箱には
何個、入ってるのかな?」

「家に歩いて
帰れなくなっちゃうよ」

「泊まればいいよ」

ジュンニイは
簡単に言ってのける。


「今日はココに来てるの
パパもママも知ってるもん」

ジュンニイが
ちょっと困った顔をした。


そして時計を確認して


「だったらヒメパパに
許しを乞いに行こうか」


「え?」

自分の耳を疑った。


「同棲なんかやめて
籍、今すぐ入れちゃおうか」


な…。

「うん。そうしよう」

ちょ、ちょっと待って。


「ヒメパパ家にいるんだろ?」

ジュンニイがクローゼットから
スーツを出して
着替え直し始める。


「ほら!
何やってんだよ。

遅くなっちゃうと
印象悪くなっちゃう」


パソコンを入れた
ビジネスバッグまで持って

まるで商談にでも行くような
いで立ちだった。


「ほら」

ジュンニイにコートを
着せられて

「かわいいよ」

キスされてゴマカサレル。


ジュンニイに
急かされるようにして
部屋を出たけれど。


「ちょっと、ジュンニイ…!」
「もう決めたから!」

「待ってってば!」

しつこく足止めしようとする
私の態度に

ジュンニイがキレる。


「こういうのは
イキオイが大事なんだッ!!

ヒメは俺と結婚
したくないのか!?」


え〜ん。
コワイよおおおお。

でも、言わなきゃ。
わかって貰わなくちゃ。


「気持ちは嬉しい。…けど」

「けど、何ッ!?」