「私、まだ
パンツ穿いてない…」
「え…」
予想外の私の発言に
ジュンニイの額から
汗が噴き出した。
夕暮れの中
ケーキを手土産に
ふたりで
タクシーに飛び乗った。
離したくない。
離れたくない。
でも何だろう
この急展開は。
イキオイは確かに大事だけど
あまりにも
無計画で無謀すぎる。
「…大丈夫かな」
「ヒメパパ?」
「うん」
「大丈夫でしょう」
ジュンニイは
のん気なモンだ。
「さっきヒメが
ケーキ選んでる間に
ヒメパパのケータイに
メールしておいたから」
え。
な…!
「んッで!!!!!!!?」
何でパパのメルアドを
ジュンニイが知ってるの!?
あまりの衝撃に
次のセリフが出てこない。
「前さ。
ヒメがびしょ濡れになって
マンションに現れた日。
ヒメパパが電話に出たって
話したじゃない?」
あの後、私が寝静まってから
ジュンニイのケータイに
パパから何度も電話が
かかってきていたという。
「心配なの、わかるからね」
締め切りに追われて
タイヘンなときに
親子揃ってヒト迷惑な…!
ああ。
穴があったら入りたい。
「何かヒメパパと
意気投合しちゃってさ。
自分のケータイ番号と
メルアド教えてくれたんで」
つき合いをちゃんと
報告しますと約束したらしい。
「お泊まりした翌朝の
ヒメの寝顔の写真も
ちゃんとヒメパパに送ったし」
「なッ!?」