ちいさな口でちょびちょびと
食べてる私にママが
問いかけてきた。


「あ、ちょっとアゴ痛くて」

バカ正直に答えた
私が悪かった。

確かに悪かったのだけれど。


「ジュンイチくんと
また無茶なコト
してきたんでしょ〜♪」


ママのひと言で
なごやかな食卓が

固まった。


いつものノリで
下ネタなんか言ってる
状況じゃないよ!!!!

見て。

この気まずい沈黙。


「あら、ヤダ。
冗談だったのに」

図星だった?
はナイでしょうが!


ジュンニイもパパも
真赤になっているじゃないか。


「車酔いしそうだったんで
ガムばっか噛んでたから!」

苦し紛れの私の言い訳に

「ちいさい頃から
車酔い酷かったもんな〜」

意外にも
パパのフォローが
入ってきて

「そうなんですよね!」

ジュンニイがすかさず
合の手を入れた。

わっはっはっは。
あっはっは。


ジュンニイとパパの
白々しい笑いが

恥ずかしい…。


「…ところで」

パパがひとつ咳払いをして
その場を仕切り直す。


「ジュンイチくんは
例のモノもってきて
くれたのかな」

ジュンニイの顔が
マジになった。

「はい」