パパの問いかけに
ジュンニイは
カバンの中から
パソコンを取り出して
自分の事務所の経営状態を
パパに説明する。
そして
個人名義の貯金通帳を
取り出して
パパのチェックを受けた。
「う〜ん。スゴイな」
パパの唸りも
モットモだった。
それは金額ではなくて
貯金の仕方で。
毎月きっちり一定額が
入金してある。
それも何年もかかさず、だ。
マンションを買った前後も
出金された形跡すらない。
「これは将来の
もしものときの為の貯金です」
ジュンニイの几帳面さ。
将来設計の確かさ。
しっかり地に足がついている。
文句なしの
アピール材料だった。
「ふだんはこっちの通帳で
出し入れしてます」
そっちの通帳は
見る必要はないと
パパはそのまま返して
「いや。疑うようなマネして
悪かったね」
「いえ。当然です」
「親バカだと
思うかもしれないが
どんなにいいヤツであろうと
やっぱり金にルーズな
ヤツには
娘はやれんからな」
「はい」
ジュンニイの
プレゼンテーション能力の
高さに
わが彼氏ながら
惚れ惚れする。
そして
ジュンニイの
トドメのひと言で
パパはあっさり陥落した。
「婿養子に入りたいと
思っています」