ひとり娘を持つ親にとって
これほど見事な
カウンターパンチはなかった。
「娘をよろしく頼むよ」
卒業したらすぐにでも
いい日を選んで
入籍するコトが
パパとジュンニイの間で
約束された。
オトコふたりで
どんどん先に
話を進めてる。
あれ?
あれあれあれ?
「当事者の私の
意見とか
希望とかは…?」
「どうせ結婚する気なら
さっさと籍
入れちゃった方がいいわよ。
ズルズルつき合って
未成年で
できちゃった結婚なんて
コトにでもなったら
ママ恥ずかしいじゃない」
…私はこんなママを
持ったコトの方が
恥ずかしい。
私の戸惑いなど
気にもかけずに
パパとジュンニイは
ネットで
養子縁組の法律を
確認している。
パパとしても
願ってもない
この婿養子の話を
ジュンニイの気が
変わらないうちに
形にしたいと
焦っているワケで。
何だか事務的なニオイがして
ちょっと抵抗があった。
もし、私が
ひとり息子に嫁ぎたいとか
言いだしてたら
パパはこんなにも結婚を
祝福してくれただろうか。
例えば
相手が
パパのお気に入りの
ジュンニイではなく
『彼』なんかとだったら
間違いなく
いろんな意味で
猛反対されてたよね。