「母親の旧姓を
名乗ってた時期もあるから」

5回…。


今のお父さんと

ジュンニイの
実のお父さんと

ジュンジュンの
実のお父さんと


その他2名。


う〜ん。
パワフルなお母さん
だったんだな。


指を折々計算していた
私のアタマを

ジュンニイがポンと叩いて


「見送りはここでいいよ」

頬にキスする。



「…連れ帰ってくれるんじゃ
なかったの?」


ジュンニイが
ケータイの電源を入れる。


《勝手にスケジュール
変更して!
私を狂乱させたいの!?》


マユコさんからの
クレームメール。


「帰って
仕事に集中しなくっちゃ」

「私おとなしくしてるから!」

私の意気込みに
ジュンニイが苦笑いした。



「…変な意味で
言ったんじゃないもん」


「ヒメが目の前にいると
つい誘惑に負けちゃうから」


ジュンニイの親指が

私の唇に触れ
顔が近づいてくる。


その瞬間

ジュンニイの
ケータイのメール受信音が
鳴り響いて

「…まいったなあ」

送信者名を見て
ジュンニイがアタマをかいた。

「ほら。ヒメパパから」


《娘にアゴがはずれるような
無茶なコトはさせないように》


「げ…!」

何、このメール!!

思わず家の窓に目をやった。


カーテンは閉まっているけど

「見られてた…?」
「たぶんね」


ひえええええええええ。

もう、真っ青だ。