それを察してか
ジュンニイは
妖しげなシャンソンを
歌いながら
その場を盛り上げる。
「シャバダバダ
シャバダバダ〜♪」
何か聞いたコトが
あるような
ないような
何となく
響きが卑猥な曲だった。
なのに明るく
歌いきってしまうあたり
とってもジュンニイで。
お風呂で洗われて
ドライヤーで乾かされて
何だか自分が小動物にでも
なった気がする。
私を飽きさせない
手練手管の数々を
誰と何処で学んできたのか
ちょっと気にはなるけれど
でもそれは
私を愛する為の
修行の一環だったと
理解しておこう。
「ジュンニイ?」
「何?」
「大好き」
「そんなコト知ってる」
ドライヤーの音が
ターボになった。
ジュンニイの指が
頬に触れる度
胸がキュンとする。
何がキッカケになったのか
わかんないけど
元のふたりに
戻ってるんだよね。
「あんまりキレイに
ブローしちゃうと
外で髪を洗ったって
ママに怪しまれちゃうよ」
「じゃもう一戦やって
汗ばんで帰るか」
え…。
「そんなロコツに
嬉しそうな顔
しないでくれる?」
ジュンニイが笑いながら
私の背中の
ファスナーを上げる。
「嬉しそうな顔なんて…!」
してたかも。
「でも、残念ながら
もうゴムがないんで。ほら」
ベッドのマット部分を
軽く持ち上げて私に見せた。
コンドームを
そんなトコロに
隠してあったんだ!
用意周到っていうか…。