「もしかして
マンションの寝室とかも?」
「今までシーツ
取り換えるときとか
気づかなかった?」
…気づかなかった。
「いつ頃から?」
「ベッド買ったときから」
「ずっと置きっぱなしで?」
「置きっぱなしで」
「それって
消費期限大丈夫なのッ!?」
ジュンニイが私のセリフに
身悶えして笑い転げた。
「…何よ」
真面目に心配したのに。
「ごめん、ごめん。
ふつうはさ。
ずっとチャンス窺ってたの?
とか聞いてこない?」
ユニークなヤツだと
ジュンニイが
よしよし、する。
「……」
何かすごく子ども扱い
されてる気がして
かなりカチンときた。
「…コンドームなら
持ってるけど」
「え?」
ジュンニイの笑いが
止まった。
バックの中に忍ばせてきた
クマの絵のついたその箱を
時代劇に出てくる
印籠のように
ジュンニイの目の前に
突き出して見せつける。
「お…」
空気も止まった。
「…ヒメ、おまえ…」
ジュンニイの口元が
震えている。
「な…何よ」
ちょっと大胆だったかな。
ココロの中では
滝汗が波打っている。
「…そんなモン
箱ごと持ち歩いてるオンナ
初めて見たぞおおおおおおお」
ジュンニイが
涙を流さんばかりに
大ウケしている。
「それはタマタマで!!!」
アタマから湯気が出そうだ。
「悪いけど1日で全部
使い果たせる程、俺
タフじゃないから〜♪」
私を抱きかかえて
モミクシャにした。