「いつのまに!?
誰と誰と誰と〜!!!!?」
ユッキがさらに食いついて。
「…高1の春。
ちいさい頃から
好きだったヒトにフラれて
ヤケおこして。
全部、知らないヒトと。
何人とヤッたかは
忘れちゃったけど」
ジュンジュンの
衝撃の告白に
ふたり
コトバが出なかった。
だってジュンジュン
言ってたよね。
たいして好きでもないヒトと
つき合うなんて
信じられないって。
口癖みたいに
言ってたよね。
「好きだったヒトって?」
ユッキってば
質問の切り口も
やっぱり鋭い。
「…ユッキの知らないヒト」
ジュンジュンは
ウソをついた。
「ま、いいじゃない。
あんまり
思い出したくない
過去だからさ」
そういう風に
言われたら
さすがのユッキも
それ以上は
突っ込みにくかったようで。
「過去だから」
ジュンジュンは
そう言ったけど
生殺しのような恋に
今もこの瞬間すらも
苦しんでいる。