ジュンジュンに
連れられて来たのは
華やかな通りから少し離れた
静かな裏道にある
奇抜なイタメシ屋だった。
おおきな樹が
店の中から顔を出していて
まるで森の中で
出逢ったかのような
独特の佇まいを
魅せている。
童話の世界を
まるまる実現したような…。
「この店も
アニキの作品らしいよ」
「ウソ!?」
普段のジュンニイの
趣味・嗜好からは
想像もつかない。
「ベビー用品の
お店とかも
たくさん
仕事してるらしいし。
こういう世界も
得意分野みたい」
ジュンニイの作品は
幅が広い…。
相手の好みを
リサーチして
全部自分の知識に
してしまうその才能は
相撲やワインで
嫌というほど知っている。
趣味の多さや
好奇心の強さが
ジュンニイの仕事を
支えていて
子どもの頃は
何て飽きっぽいんだって
思ってたけど
全ての経験が
役に立ってるよね。
「すいません。
今日は貸し切りで…」
聞きなれた店員さんの声。
かわいいメイドさんの
格好をしたその姿に
わが目を疑った。