「なんれすって〜!?」

「まあまあ、どうぞ」

ユッキが面白がって
ワインをすすめてる。


「こら。これ以上飲ますな」


ジュンニイにワインの瓶を
取り上げられた。


カウンターの中にいた
新入りくんに近づいて
ジュンニイがひと睨みする。

「コージ!
未成年にお酌なんか
させてるんじゃない」

「はいッ!!
すンませんッ!!」

新入りくんが
直立不動になっていた。


「案外、威張りん坊よね。
ヒメんトコのダンナ」


不服そ〜〜〜〜〜に
ユッキが私とジュンジュンに
愚痴ってきた。

あはははは。

ジュンジュンと笑ゴマする。


「ユッキ、コージさんと
うまくいってんじゃないの〜」

「ま。そ〜なるの、かな?」


メイド姿で照れるユッキは
どこかコワイぞ…。


「このコスプレ
コージさんの趣味?」

「やだ〜。この店の制服に
決まってんじゃないの〜♪」


ジュンジュンが
要らぬツッコミをして

ユッキに猛烈な
照れ叩きにあっている。


「おまたせ。行こっか」

用事を済ませたジュンニイが
私の手を握ってきた。

「行くって、どこに?」
「コレンかいりょ〜れりょ」

マユコさんが会話に
割り込んできた。


「コレンかいりょ〜?」
「個展会場」


ジュンニイが
呆れて言い直した。


個展…会場。

ジュンニイが見せたいって
言ってたのは…。


「個展会場、見れるの!?
アニキ、私も見たい!!」

凄い勢いで
ジュンニイの腕を掴んで
離さない。