パパのパソコンで
個展に関する書き込みを
検索してみた。

【産卵】という
タイトルは

人々に様々な
イマジネーションを
膨らませていて。


母体回帰を表している
のだとか。


『彼』は生まれ変わった
のだとか。


作品を生み出す苦しさを
表現しているのだとか。


みんなそれぞれの解釈で

『彼』の個展に
多大な期待を寄せている。


「コレってアラビア語?」


外国語のページで
『彼』の名前がたくさん
ヒットするのに驚いた。


『彼』のファンサイトらしい
モノもたくさんあって

どこで手に入れたのか
『彼』の子どもの頃の
写真までアップしてあった。


金持ちそうな
オジサマ達に囲まれて
シラケた顔して
写真に写っている。


表情はとても
『彼』らしいんだけど

その格好はどこぞの
王侯貴族さまのようで

まさに絵になる
美少年ぶりだった。


エキゾチックな黒い瞳。

欧米人の中に混じって
ひときわ異彩を放ってる。


「今も変わらず
キレイなオトコノコだけど」

ジュンニイと違って
まだどこか少年の面影を
残していた『彼』のカラダ。


「……」

私ってナニ
思い出してんだろう。

恥ずかしいヤツだ。


ひとりで赤面してしまう。


「しっかし」

どの写真もオジサマ達との
写真ばかりで

ちょっとBLの世界っぽくて
思わず笑ってしまう。


誰か有名なヒトも
いっしょに写っているのかな。


「英語だったら
翻訳機能でわかるんだけど」


本当に『彼』は
世界基準のヒトなのだと
思い知らされた。