しっかし。

周りにオンナのヒトとか
いなかったのかな。


とはいえ

「これだけ近寄りがたい
オーラを出してたら

オンナノコはみんな
敬遠しちゃうよね」


パソコンの画面の中で
仏頂面してる少年を
指ではじいてやった。


「行方不明騒動のときも
こんなカンジだったな」


乱暴な口ばかりきいてきて
意地悪で

まるで全てのオンナが
汚いと言わんばかりで。


「あんなカンジで
オンナノコに接してたら
嫌われるよな〜」

たまらず思い出し笑いする。


そんな『彼』を
好きになってくれた
ジュンジュンは
貴重な存在だ。


家事は苦手だけど

よく気がつくし
美人だし

スタイル抜群で

聡明で
アイデアマンで


「私がオトコだったら
絶対に彼女にするぞ!」


なのに。

…何でジュンジュンじゃ
ダメなんだろう。


『彼』はどうして

ここまで
私に固執しているのか。


溜息が止まらない。


検索を続けているうちに
私の彫刻の写真や映像も
いくつか
見つけてしまって

自分の知らないトコロで
私に関するコトが
ひとり歩きしているのを見て

どこか他人事のような
気になっている自分が
不思議だった。


ジュンニイからの
メールが入る。

《明日も外で食べるから》


お弁当を持っていくという
逢いにいく口実が
またなくなった。


仕事先のヒト達と
打ち合わせしながらの
食事だと
ジュンニイは言い訳しては
いるけれど

やっぱり淋しい。