一方通行の
片想いの切なさに
胸が締めつけられる。
あの作品達を
目にしなければ
ジュンニイだって
私に愛されてるという自信を
ここまで取り戻せては
いなかっただろう。
好きだ好きだと
アピールしておいて
他のオトコのモノになるのを
こんな形で
後押しなんか出来る
『彼』のその神経が
私にはわからなかった。
まるで私をジュンニイに
託すように。
自分の全てを賭けてまで。
『彼』の真意がわからない。
目が見えなくなったから?
将来の展望が
なくなったから?
理想のふたりでは
いられないのだと…?
でもそんなの
おかしいじゃない。
目が見えなくなるって
わかってて
私を抱いたくせに
そんなコトを理由に
私を手放すなんて
矛盾しすぎてる。
手前勝手に
私を振り回してきたくせに
不幸が誰よりも
似合ってるくせに
今更
周りを不幸に巻き込むのに
何を躊躇するコトが
あるというのか。
しあわせにする
自信がないなら
愛するのをやめればいいんだ。
捨て置いたままに
してくれてた方が
どんなに楽だったか。
こんな後ろ髪をひかれる
思いをするくらいなら
死ぬほど恨んで
嫌いになってから
別れたかった。
私のしあわせの為に
身を引くなんて
ただのエゴだ…。
「う…」
悔しくて涙が落ちてきた。
「どうした?
恐い夢でも見たか」
ジュンニイが目を覚ました。
「うっ…、う」
声にならない。
ジュンニイが私のアタマを
抱え込んできて
あたたかい胸に保護されて
もっと切なくなった。