ジュンニイは『彼』の真意を
どう解釈しているのか。
「フェアじゃないと思った」
そうジュンニイは
言っていたけれど
私の気持ちが
『彼』に傾くとか
考えはしなかったのだろうか。
「ヒメ…」
ジュンニイの唇が
私の涙をやさしく拭う。
その手は
おおきなシャツの中に
滑り込むようにして
私のカラダを
愛おしんでいた。
「…ジュンニイは
私を試しているの?」
ジュンニイの手が止まる。
ワタシヲ
タメシテイルノ?
それは言ってはいけない
コトバだった。
考えたりしては
ならないコトだった。
なのに私はそれを
口に出してしまっていた。
「…試すって」
ジュンニイの顔が
曇っている。
でも
言ってしまったコトバは
もう取り消せない。
「ヒメ…」
ジュンニイが私の髪を
かき上げて
表情を確認しようとする。
「…や」
見ないで。
ずっと押し込めてきた。
気づかないふりを
してきたのに。
「うっ、う、う」
胸の中で泣き続けてる私に
ジュンニイは何度も何度も
キスを贈り続けている。
とうとう私の口は
さらりとそのコトバを
吐きだして。
ワタシヲ
タメシテイルノ?
そして
私はもう
その考えから
逃れられなくなって
しまっていた。