「…最後に
大事に食べようと
思ってたのに」
「ほら、俺のチョコ
全部あげるから」
ジュンニイが
機嫌をとってくる。
「な〜に朝から
イチャついてんのよ」
「ジュンジュン!」
ジュンジュンの姿を見て
思わず抱きついて
…泣いてしまった。
「バカねえ。
どうしたのよ。
何で
こんなトコロにいるの?」
「…おまえこそ
何でいるんだよ」
「…バイト」
「バイトって何の!?」
「…ホントはお見舞い」
「は?」
『彼』が最近風邪気味で
体調を崩していると
ジュンジュンは言った。
「ホテルの調理場借りて
お粥でも作ろうかと…」
「おまえが!? やめろ。
腹を壊させるだけだ!」
「…ジュンニイ。
何もそこまで言わなくても」
思わずジュンジュンに
味方してしまう。
「いや、まあ。
気持ちだけにしとけ。うん」
「アニキってば
ヒメにはホント
アタマあがらないんだね」
ジュンジュンがからかう。
「でもちょうどよかった。
ヒメがついててくれたら
心強い!
10分程ヒメ借りるね」
私にもジュンニイにも
返事をさせる間を与えずに
ティールームの奥に
ジュンジュンは
私を連れ込んだ。