そのコトバは
ミスターの感謝の気持ちは
今の私には重すぎて。
何も答えるコトができずに
私はそのまま
エレベーターに
飛び乗っていた。
エレベーターの中
私の横に並んで立つ
ジュンニイに
「感謝してるなんて
皮肉に聞こえちゃった」
本音を漏らす。
「ボブのコトバに
ウソはないよ」
ジュンニイは私の手を握る。
「いいヤツなんだ」
目が見えなくなって
『彼』が自暴自棄に
なったときも
メディアを盛り上げて
『彼』への世間からの期待を
実感させようとしたり。
海のモノとも
山のモノともわからない
未知数な彫刻制作の為に
最高の環境を用意して。
『彼』が創るコトを
「生きる目標を
無くさないように」
ミスターもまた
素晴らしい人間なのだと
ジュンニイは教えてくれた。
みんなオトナで
自分の中で
この辛い現実を消化して
笑顔で隠して。
私だけが子どもだった。
ジュンニイ達が
ひた隠しにしてきた
この秘密は
ボディーブローのように
じわじわと
後になって効いてきて
知らなければよかったと
猛烈に後悔しても
もう遅かった。
これは
逃げようもない事実で
確かに
現実だった。
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。