そのままジュンニイに
腕を引っ張られて
「もう何も言うな!
何も考えるな!
おまえのしあわせは
俺が考える!!」
…力いっぱい
抱きしめられた。
「おまえが抱えている
過去も贖罪も
全て俺が請け負ってやる。
おまえの苦しみは
俺が代わりに苦しむから。
もう自分を
責めなくていい」
それは
欲しかったコトバだった。
ひと言ここで
「うん」と言えばいいのだ。
それで私は
自分の背負っていくべき
重い十字架を
置くコトが出来る。
なのに
唇が動かない。
「うん」とは
言えなかった。
言ってはいけなかった。
それは
許されないコトだった。
頷こうともしない
頑ななこの私を
ジュンニイは責めもせず
ただじっと
抱きしめ続けている。
ジュンニイの
腕の力で息ができない。
いっそのコト
このまま
殺してとさえ思った。
「もう自分を
責めなくていい」
ジュンニイのコトバは
ジュンニイの
このあたたかい胸は
今の私には
勿体な過ぎて
申し訳なさ過ぎて
「…ジュンニイ」
私はただ
もう何も
その愛を疑うまいと
誓う。