「ここが私の家じゃ
なかったっけ?」


「そうなんだけど」

ジュンニイが苦笑いする。


私は
ジュンニイの左手を
掴まえて

ポケットに忍ばせてあった
リングを

その薬指にはめる。


「あ…」

ジュンニイが
私の笑顔を確認して

その顔が
イッキにほころんだ。


【C¥\'est ma chose】

「コレ、私の!」と
抱きつく私に

「…うん。
俺は全てヒメのモノだ」

ジュンニイがキスで応える。

何か背中が
ムズムズするくらい

恥ずかしいコトバだったけど


それが本気の本音
であるというコトは

私自身が一番知っていた。


「だからもうこのコトバは
下着には書かないでくれよ」


「今度からはジュンニイの
カラダに直接書くコトにする」


私のセリフに苦笑しながら

ポケットを探ってくる
ジュンニイに

「反対側のポケット」

ヒントを出して


ジュンニイは簡単に
もうひとつのリングを
探し当てる。


誓いが刻まれたその指輪が

ジュンニイの手で
私の薬指の
ステディーリングに
重ねられた。


「あ」

シンプルなデザインだと
ばかり思っていたのに

ふたつ重なって初めて
ハートの形が現れる。

「スゴイ!」

思わずしげしげと
見つめてしまった。


「俺のと組み合わせても
ハートになるよ」

ジュンニイが
自分の指を重ねてみせる。

ジュンニイのは
三角のデザインがふたつ。

「もしかして、これ
私、上下間違ってて。

ホントはダイヤの形に
なるんじゃ…」


思わずジュンニイの方に
カラダをむけた。


「こっちのがカッコイイよ」


そう笑って
結婚指輪をはめた自分の指を
私の指に絡ませる。


「…しあわせだ。俺」