「ちょっと顔
直させてきますね!」


ジュンジュンが
私の手を引っ張って

化粧室に
無理やり連れ込んだ。


「ジュンジュンッ…!」

「ヒメは何も
わかってない!!!!!」

ジュンジュンに
怒鳴り返される。


「ここで結婚を
取りやめなんて
アンタが言い出したら

『彼』が傷つく!
『彼』が心配する!」


それはジュンジュンの
勝手な言い分で

都合のいい解釈で。


「う…」

自分の気持ちを
ひと言で
表わせるコトバを

必死で探してみたけれど

私なんかを
擁護するコトバなんか

この世にはありもしなくて


私はただ

泣くしかなかった。


「ヒメ、ジュナ?」

ジュンニイが
化粧室をノックする。


ジュンジュンが
ドアを開けて
ジュンニイを迎え入れた。


「任せたよ」

ジュンジュンが
ジュンニイに
バトンタッチする。


ドアをロックして

ジュンニイが
しゃがみ込んでいた
私を抱きあげ

洗面台に座らせた。