「…そうだよな。
ヒメがついてるもんな」

ジュンニイの声が
穏やかになった。


「俺、おまえは信じてるから」


ジュンニイのマジなトーンに
身が引き締まる思いがした。


「…そんなヨイショしても
何も出ないからねッ!」


嬉しかったのに

ジュンニイのセリフに
ときめいてしまったって
気づかれたくなくて

ついツッパってしまう
自分がいる。


「いや。ヒメには昨夜も
ずいぶんサービスして貰ったし

これ以上を望むなんて〜♪」


「ジュンニイの
ヘンタイッッッ!!」


ジュンニイの
ジョークにまた救われた。

ジュンニイとの電話を切って
ジュンジュンに電話する。

お母さんと
連絡がとれていたコト。

個展に招待したコト。

『彼』に逢わせる
計画があるコト。


全部話した。


電話口で
ジュンジュンが泣いている。


『彼』に母親を逢わせるのは
かねてからジュンジュンの

「宿願だったもんね」

「うん…」


ジュンニイに内緒で
お母さんを逢わせに行ったのが
つい昨日のコトのようだ。


「…よかったあ。
もうダメかと思ってたから」


ジュンジュンの安堵の声に

ぬか喜びさせてるんじゃ
ないかって


ちょっと不安になる。


「…説得できるか心配だけど」


「私はダメだったけど
ヒメなら大丈夫。

ヒメの頼みなら『彼』は
何だって聞いてくれるよ」


切ないセリフに

胸が痛んだ。