当日。

ジュンニイから
指定されたお店で

大量のフルーツを
買い占めて

ジュンジュンと
美術館の警備室に
立ち寄った。


「我々なんかにも
気を遣ってくれて」

ジュンニイからの
警備スタッフへの
差し入れに

みんな
凄く感激してくれる。


1個500円もする
高級いちご。

ジュンニイは
こういうトコロには
お金を惜しまない。


現場の人間を
すごく大事にしている
ジュンニイのその姿勢が

妻として
誇らしくもあった。


「今日はこれから観るの?」

「いえ。今日は…」


ジュンジュンに視線を送ると

「ないです!」


ジュンジュンが
きっぱり否定する。


「なら、いいけど。

もし観るときは
事前に連絡してね。

警備つけなきゃいけないから」


「え…?」


「だって君、『彼』の
作品のモデルなんでしょ?」


ジュンジュンと
思わず顔を見合わせた。