「話はボブから聞いてるわ」


ホテルに着くと

アンナさんが
私達を迎え入れてくれた。


「ちょっとお昼
食べに行ってくるから」

後を頼まれる。


ジュンジュンと目が合って

どちらともなく
手を握り合った。


「…大丈夫かな」
「やるっきゃないでしょ」


ジュンジュンが
私の手を握り返してくる。


「行くよ!」


ジュンジュンが
ベッドルームのドアを
ノックして

勢いよく
部屋に入っていった。


私はジュンジュンの後を
小走りに追っていく。


天蓋のカーテンを
ジュンジュンがまとめて


「いい天気だよ」

ベッドの中の『彼』に
話しかけた。


「ん…」

弱々しい声に背筋が凍る。


ひさびさに見る『彼』は

私の想像を遥かに超えて

痛々しいくらい
消耗を見せていた。


ヒトってここまで
痩せられるモノなんだろうか。


ジュンジュンが
目をそむけてしまいたいと
思ってしまうのも

当然だった。