翌日、ジュンニイが
ニューヨークから
戻ってきて
「いやああああ〜」
また娘に人見知りされて
落ち込んでいる。
テレビ電話で
パパの正面ばかり
見ているので
立体になって現れると
びっくりしてしまうらしい。
「2週間しか経ってないのに
記憶力悪すぎだろ。
誰に似たんだか」
ジュンニイが
私をチラ見する。
「誰かさんが
甘やかしてばっか
だからでしょ」
憎ったらしい口を
左右に引っ張ってやる。
「お〜♪
2週間ぶりの愛のムチ」
ジュンニイが
私のカラダを引き寄せた。
「ん〜♪」
「ダメ〜ッ!!!」
くちづけする私達の間に
娘が入ってきて
「ぐお!」
娘が持っていた黒板の側面を
アゴにくらって
ジュンニイが悶え苦しむ。
「…黒板なんてどうしたの?」
黒板を埋め尽くす
チョークの線に
「…もしかして
ヒメのストレス解消用とか?」
ジュンニイが
恐る恐る突っ込んできた。
「自分の娘が描いた絵も
わかんないんだ〜」
「…上手に描けてるな」
相変わらずの
親バカぶりで。
「じょーず?」
私の後ろに隠れていた娘が
ジュンニイのコトバに
反応する。
「ああ。凄く上手だよ!」
両手を広げる
ジュンニイの胸の中に
娘が飛び込んでいく。
くんかくんかと
ジュンニイの香りを
確認して
「パパッ」
いつもの仲良し父娘が
戻ってきた。