あああああああああ。
私は娘が描いた壁の絵に
泣きついた。
「…逢いたいよ。
もう一度だけでいいから
あなたに逢いたいよ」
私の頬に
チョークの粉が貼りついて
壁の絵がどんどんかすれて
消えていく。
「…あなたの
生まれかわりなんかじゃなく
あなたに逢いたいのに…!」
壁の絵を
何度も何度も殴りつけた。
「…誰にも
あなたの代わりなんて
なれはしないん
だから…!!!!!」
だって
あなたは私にとって
唯一無二の
かけがえのない…
「ヒメミヤ」
…え。
懐かしいその声に
私は顔を上げる。
「…泣いてるオンナを
泣きやませる方法なら
ひとつだけ知ってるけど」
…私はまだ
夢を見ているのだろうか。
そこには
『彼』が立っていて
私を見て
クールに笑っている。
もう思い出せもしなかった
その声を
再びこの耳に
響かせるコトができるなんて
「…これは夢の続き?」