「ピカピカ光ってキレイ!
ありがとー! 大好き!」


この娘の性格を
気に入ってくれるのは

ジュンジュンと
ジュンニイと
おじいちゃんズくらいだ。


「この程度で喜ぶなんて
ジュナは
安上がりなオンナだな」


…わが娘ながら
憎ったらしい。


「この口のきき方
何とかならないかな」

溜息の毎日だ。


「オトコノコなら
よかったのにね」


ジュンジュンが苦笑する。

「オトコノコだったら
お嫁さんになる楽しみも
あったのになあ」

ジュンジュンは
口癖のように言っているけど。


「甥と叔母だから
オトコノコでも
結婚は出来ないよ」


そんなわかりきったコトを
口に出すのが
はばかられる程

哀しげに微笑むその姿に


ジュンジュンがまだどこか
『彼』の面影を
追っている気がして


切なくなる。


「ジュナ。
このおっきいの何だ?」


娘がジュンジュンが
持ってきた包みを
開けようとする。


「こら、お姉ちゃまの。
ダメでしょ」


「あ、ソレもこの子に
持ってきたの」

娘が嬉々として
包装紙を破り始めた。


「黒板?」

それは
ハート型に板を切って
ペイントして作った
ジュンジュンのお手製で。


「あと、もうひとつ」

ジュンジュンがカバンから
ちいさな箱を取り出して
娘に渡す。


「なあに?」

見覚えがある
ちいさな緑色の箱。


「…ウソお!!!!」

私は思わず
娘から取り上げて
しまっていた。

「懐かしい…」