エピソード003


授かったのがオンナノコで
喜んだのはママだった。

フリルにレースが
いっぱいついたベビー服を
買ってきては
私とジュンニイを
困惑させた。

「フリルもレースも
かわいいんだけど」

「…似合わない、よね」

それがふたりの
悩みのタネで。

ママには悪いと思ったけど
リリカルなお洋服は
タンスの肥やしに
なってしまっている。


うんこ座りして
砂場で遊んでる後姿は

どうヒイキ目で見ても
クマとかパンダとかの
きぐるみのソレで。

「…ピンクでも]]
ぶっといボーダーの
長ズボンジャージとかなら
あのガニ股も愛らしく
見えるんだけど」


ときどきママが
髪の毛をリボンで
結んでみたりしてるけど

まるでどこぞの
柔道少女のようで。


イチゴの刺繍のついた
ちいさなポケットに
公園で捕まえてきた
毛虫なんぞを

いっぱい詰め込んだりして
帰ってくるモノだから

最近ではママも諦めて
洋服もジャージなんかを
選んでくれるように
なってきた。


今夜着替えさせたパジャマも
ママが買ってきて
くれたんだけど

「やっぱりこうゆ〜
スウェットの方が
このコには
しっくりくるよね」

ベッドの上で
ジュンニイと私の間で
うつぶせになって眠ってる
娘の姿に目を細める。


「…スウェットは
いいんだけどさ」

ジュンニイが苦笑した。


「え、何?
似合ってないかな、これ」

ちょっとアセった。


センスのいいジュンニイに
そうやって首を傾げられると

さすがに自信が
なくなってくる…。


「たまご色に
明るいブラウンの
クマのキャラクターってのが

このコっぽいかなって…」


このコのまあるいお尻に

おっきなアップリケが
すっごいキュートだなあって
思ったんだけど。


「…色も素材も形も
いいんだけどさ。
よく似合ってるとは思うよ」

何か奥歯にモノが
挟まったような言い方だ。

「だったら…!」


「……」

ジュンニイは身を起して
ベッドサイドから
ちいさな箱を取り出してきて
私の掌に乗せる。


「娘のパジャマの柄が
コンドームと同じ
キャラクターってのに

抵抗感じるのって
俺だけ?」


「…確かに」

娘のかわいい
まあるいお尻が

コンドームに見えてきた。





エピソード003

≪〜完〜≫



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