ふつうのカップルみたいに
「電車の中で出会って
助けて貰ったのがキッカケで」
なんて
よくあるラブストーリーに
どうして
ならなかったんだろう。
「ひさしぶり!
俺のコト、覚えてない?」
せめてあのとき
そう明るく声を
かけててくれたのなら
お天道さまの下
皆に祝福されて
堂々と付き合うコトだって
できたかもしれなかった。
「もしも」なんて
考え出しては
私は『彼』に対して
恨み節ばっかりで
ますます
『彼』に対する態度を
態度を頑なにする。
しなやかな
美しい『彼』のカラダ。
かきあげた前髪から
創りモノのような
綺麗な横顔が現れる。
「…前髪、切ればいいのに」
隠しているのなんて
勿体ない。
出してれば
「オンナノコ達だって
きっと放っておかないと思う」
「……」
親切でアドバイスした
つもりだったのに。
『彼』は私の唇を
自分の唇で塞いで。
「おまえ以外
何もいらないから」
なんて。
美しい獣が
切なく
私をまた追い詰めた。
美しき獣
≪〜完〜≫
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