エピソード005


娘も3歳になったし
そろそろ何か
習い事をさせたくなった。


「水泳に、ピアノに、体操に」

候補がたくさんあって
目移りする。

でも、やっぱり

「英会話は必須、かな」


たくさんのパンフレットを
比べながら

「ネイティブの外国人講師が
いるトコロがいいよね」


「そういう基準で選ぶのって
あんまり感心できないな」

娘とプロレスごっこしてる
ジュンニイがめずらしく
娘の教育に口を挟んできた。


「ネイティブってさ。
アメリカ生まれの
アメリカ育ちってコトだろ?」

アメリカなんて
広大なお土地柄
とんでもないキツイ方言で話す
ネイティブもいるんだぞって

ジュンニイは
苦い顔をする。


「国語が苦手で
文法が滅茶苦茶で

下品な話し方しか
できないヤツだって
たくさんいるんだから」


う〜ん。
そこまで考えは及ばなかった。


そういえば

「ジュンニイってさ。
英語ペラペラだけど
どこで覚えたの?」

「イギリス」


「え?」
「俺、帰国子女だもん」

うっそ〜〜〜。

そんなの
初めて聞いたぞ〜!!!


「小学校4年間は
むこうの学校だったから」

「ジュンジュンは
英語しゃべれないよね?」

「あいつの父親と
再婚したのをキッカケに
日本に戻ってきたから。

あいつは生粋の
日本語ネイティブ」


そ、そ〜なのか。

流暢なハズだよね〜。


「…だったらこのコも
将来、語学留学とか
視野に入れといた方が
いいよね」

「……」

ジュンニイが私の顔を
じっと見て
何か言いたそうに
しているんだけど。


「うおりゃああああ」

スキありと
ジュンニイの胸元に
娘の頭突きが決まる。


「なっさけね〜な〜ッ!
もうイッちゃったのかよ!

おらおらおら〜!
もっと腰を使って
俺を悦ばせてみせろよ〜!」


倒れこんでいる
ジュンニイの上で
娘が勝ち誇る…。


この前
ジュンニイの上に
ふざけて馬乗りになって

私が口にしてたセリフ
そのまんま。


「…やっぱり英語より
子どもらしい日本語を
教える方が
俺は先だと思う」

「…だね」


親として

反省と後悔を促される
日曜の昼下がり。





エピソード005

≪〜完〜≫



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