「ヒメ〜!
あんまり長湯してたら
シワシワになっちゃうぞ!」
客間からジュンニイの
明るい声がする。
「……」
重い腰をあげて
浴衣に着替えて
客間のふすまを開けた。
「お誕生日
おめでとう!!」
クラッカーが鳴って
たくさんのヒトに
お祝いされる。
「えッ、何、何!?
どういうコト!!!!?」
親友のジュンジュンにユッキ。
ユッキの彼氏のコージさんに
ジュンニイの親友の
ペイさんの家族まで
揃ってる!!
「せっかくだから
事務所の社員旅行も
兼ねちゃおうと思ってさ」
「は、あ!?」
ど、どういう了見なんだ!!
「私とユッキの企画なんだ〜」
ジュンジュンがユッキと
ピースサインをしてみせる。
「Sory〜!
ゴメンなすって〜!」
遅くなって申し訳ないと
相変わらず怪しい日本語で
ミスターやアンナさんまでも
アメリカから駆けつけてきて
気がつくと
大宴会になっていた。
やたらとデカい
バースデーケーキが
運ばれてきて
ケーキカットなんて
ジュンニイとやらされて
もう皆のテンションは
あがりっぱなしで。
外国人のミスターがお祝いにと
かくし芸に
ドジョウすくいなんて
巨体を揺らしてやるモノだから
さすがの私も大爆笑で。
何だか
ひさびさに笑った気がする。
お酒も飲んではいないのに
何だか私まで
ハイテンションになってきて
夜は女性チームが
ひとつの部屋に
マクラを並べて
ペイさんの奥さんで
ジュンニイの秘書をやってる
マユコさんの昔話に
皆笑いっぱなしで。
「ヒメ、ちょっといいかな〜」
ドアの向こうで
ジュンニイの声がした。