翌朝。
「蛍が寄ってくるのって
甘い”蜜”ではなく
甘い”水”です。
甘いっていっても
砂糖とか入ってるって
意味ではなく
汚染されてない
キレイな水のコトですから」
って。
親友のユッキが
ジュンニイをつかまえて
その間違いを指摘する。
「…ユッキって
間違いを訂正せずには
いられない性分だから」
ジュンジュンが苦笑いした。
…それって。
「…見てたの?」
「聞いてただけッスからッ!」
大慌てで訂正を
入れてきたのは
ユッキの彼氏のコージさんで。
「…皆で聞いてたんだ」
「聞こえてきただけッスよ!」
ますますドツボにハマっては
事務所の社長である
ジュンニイに
冷たい目で見つめられ
縮みあがってる。
「…皆、ヒメのコト
心配だったからさ」
ジュンジュンが私に
耳打ちする。
「誰もアソコで
あんな展開が待ってるなんて
思いもしなかったから」
すぐに部屋に
引き返したんだって
言い訳してきた。
でもまさか赤ちゃんが
こんなに簡単に授かるなんて
思いもしなかったから
「あの夜に授かったコだから
”蛍”なんて名前はどう?」
「……」
そんなのつけて
自分の子どもに
「どうして自分は
蛍って名前なの?」
なんて聞かれたら
どんな顔して
説明すればいいんだ。
ただでさえ
蛍を見る度に
皆の目が何か言いたげに
なるってゆ〜のに。
「マ〜マ!」
自分の誕生日に授かった
大切な命。
ジュンニイからの
そして『彼』からの
人生最大の
バースデープレゼント。
『彼』の生まれ変わり
だったかどうか
わかるのは
もう少しだけ先のお話。
甘い夜♪甘い蜜♪
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。