まあるいおしり001


今日は親友のユッキが

彼氏のコージさんを連れて
我が家に遊びにきている。


いつもデートの帰りに
我が家に立ち寄って
御飯を食べて帰るのが
定例になっていて。


「食事代、浮いて
助かるッス」


結婚資金を貯める為
涙ぐましい努力を
ユッキにさせられていた。


「また、私に内緒で
車のタイヤ
履き替えさせるのに
お金使っちゃってて。

もうヤになっちゃう」


と、愚痴りつつ

どこか
しあわせそうだ。


娘も私とふたりで
食事をするときは
おとなしいのに

今日は娘がお気に入りの
コージさんが
いっしょとあって


「うおうお〜お〜
お〜ッおう♪」


いつになくゴキゲンで。


「最近、この子
このフレーズばっか
口ずさんでるのよね」


「何の歌?」

「それが私にも
見当がつかないんだ」


「まり〜んずの
応援歌じゃないッスか?」


娘と突っ突き合いながら
コージさんが
話に入ってきた。


「まり〜んず???」

「確かプロ野球の
パ・リーグの球団だっけ」

ユッキの知識もアヤフヤだ。


「黒いユニフォームきて
ジャンプしながら
応援するんッスよね〜」

「おう!」


娘がコージさんの
手を引いて

ソファーに座わらせて


その横で
コブシを振り上げながら
「うおうお〜お〜♪」と
さらに激しく飛び跳ねる。


「…どこで覚えたんだろう」

「パ・リーグなんて
野球中継もあんまり
やってないよね」

「やってても
チャンネル合わせないし…」


ウチはジュンニイが
どっちかというと
サッカー派で。


「れっずの応援歌なら
わかるんだけど」


「うお〜お〜♪」


「プロ野球の応援歌って
泣いてる子どもを
泣きやませる効果があるって
言われてるから

子どものハートを掴む
音の波長があるのかもね」


ユッキが冷静に分析する。