「動物って本能的に
逆らってはいけない相手を
嗅ぎ分けるから」


ジュンニイが電話のむこうで
大笑いしてる。


「ユッキもユッキよ。
3歳児相手に
何むきになってるんだか」


「よく言うよ。
ヒメだって昔
幼稚園児だった
ペイのトコのトムノスケに
ガンたれてたくせに」

ジュンニイが
思い出し笑いした。


「そんなコトしてないもん」

ちょっとだけ
身に覚えはあるけれど。


「パパッ?」

うたたねしていた娘が
私の電話に気づいて

テレビ電話の画面を
覗き込んでくる。


「後で電話
代わってあげるから

ママがお話終わるの
待っててね」


私と電話機の間に
無理矢理ちいさなカラダを
娘がねじ込んでくる。


「…ママの言うコト
聞こえたでしょ?」



「パーパ、あのねッ」
「うん♪」


ふたりして
わたしのコト

眼中に入ってなくて。


「もう寝んねする
時間でしょッ!」

私は電話機本体ごと
娘から奪い取る。


「……」

娘が冷やかに
私を見て

めずらしく
すごすごと引き下がった。


「ヒメ〜。

たまにしか
話せないんだからさ〜。

ふたりの時間
大切にさせてよ」


…なあにが
ふたりのじかん、よッ。


「私と娘と
どっちが大事ッ!?」


「…そッ、そりゃあ。
ヒメちゃん、でしょう」

テレビ電話の中の
ジュンニイの顔が
ココロなしか引きつっている。


「俺の”一番好き”は
おまえだって

娘の前でもいえるッ!?」


「……」

ジュンニイの顔が
笑ったまま固まった。


「あれ?
電波の受信状態
悪いのかなあ?」


「勘弁してください…」


「お〜うッ、おッ、お
お〜う、お〜♪」


ライバルが楽しそうに
ソファーの上で
飛び跳ねてる。





まあるいおしり

≪〜完〜≫


この作品をお読みになった
感想をお寄せください。


下記の感想の中から
ひとつ選び

【いいね!】ボタンを押すと

お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。


絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。



特に感想はありません。
次の話も期待しています!
今回の話は特にお気に入りです!