ジュンニイのコトを
好きになるのに
理由はいらなかった。
そこには
私が安らげる
私の理想が存在してて。
まさに理想のヒトと
理想の結婚生活を
送っている。
だけど。
私の中で『彼』は
あらゆる意味での
唯一無二の例外で。
理想をも凌駕してしまう
存在だった。
好みでも
タイプでもなかった。
なのに
猛烈に魅かれていた。
「ママッ。時間だぞッ」
娘がレッスンバッグを持って
私の周りをぐるぐると
回りだす。
「この子、時計とか
わかるようになったんだ」
ジュンジュンが
娘の成長に目を細める。
「でんでんは
時間にウルサイ
じいさんだからなッ」
「…カタツムリ先生だから
でんでん???」
ジュンジュンが
必死で笑いをこらえてる。
相変わらず
空気を読まない
娘だった。
「このレッスンバッグ
手作り?」
「そう。私のママのお手製」
「だから
ピンクのフリルつきなんだね」
「…そうなんだけど」
私はバッグの裏布を
ジュンジュンに見せる。
リリカルなバッグの内側は
リアルでグロテスクな
カタツムリのプリント地で。
「ママとしては凄い
妥協の産物だったみたい…」
娘の将来の伴侶の姿を
憂いつつ
そのしあわせを願う
うららかな午後だった。
まあるいおしり♪003
≪〜完〜≫
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